#076 英国EU離脱?残留?現地よりBrexitについて

Brexitという言葉をご存知でしょうか?


これはBritain + Exitの造語でブレクシットとよみます。6月23日(木曜日)に行われるイギリスがEUから離脱するかとどまるかの国民投票でEUを離脱するのではないかということを指しております。

政治関連のニュースのように聞こえますが、ヨーロッパの人にとっては日常生活が大きく変わる可能性があるため、クラスメート、家族での夕飯時にも話題の一つです。

EUを離れると何が加わるの?留学生にとっての影響は?イギリス人の友達と他のEUからの留学生で意見は違うの?などLincoが耳にした、知り合いや学生の生の声ついて、記事にしようかと思います。

正式な国民投票の英語の名前は Britain's EU referendum

まず、EUに関する、Lincoの知識が薄いため、いろいろおさらいしてみました。

そもそもなぜイギリスとEUってどんな関係なのというところから、歴史について調べてみました。



EUとイギリスの歴史

私なりに、EUの歴史をおさらいしてみたところ。EUの前身ECはなぜできたかというと、第二次世界大戦のなか、ヨーロッパの仲良しの国同士が連盟しようよ。国を追われたり、亡命とか、なんだか大変だしさ。そして、世界大戦後もヨーロッパで、経済やエネルギーの協定を作ろうよ、なんだか、アメリカとソ連が冷戦しているようだし。というのが始まり。戦争の後、ヨーロッパの国では、みんな仲良くしようよという、国の安定、経済の活性化などを目的にしていて、国同士の条約の違いやボーダーをなくしていきましょうというのが発端。

1973年1月1日以前から加盟していた フランス西ドイツイタリアオランダベルギールクセンブルクの6か国に加えて、イギリスアイルランドデンマークが加盟
1981年1月1日にはギリシャが加盟
1986年1月1日にはスペインポルトガルが加盟・・・。
現在28か国、24言語の国が一つの連盟をなしている。

イギリスは1973年に加盟後、今回と同じような、国民投票でECに留まるかの投票が行われて、66%がとどまることを希望。
1993年にはEUに代わり、2002年にはEuroが導入されるが、イギリスは参加しなかった。
2012年にはEUはノーベル平和賞を獲得。

というのがざっとした流れです。


そもそも、なぜイギリスでEU離脱するかの投票が行われる話になったの?

保守党の党首であるデービットキャメロン首相が2期目の国民選挙の時の保守党のマニフェストに、「もし、保守党がトップになったら、EU離脱するかどうかの投票を行います!」と掲げたかららしいです。

イギリスでは5大政党があり、2党(保守党と労働党)が大き目。でその他の3つは小さ目。その他は本当にすごく小さい党。(なんだか日本と似ていますね。)

小さい目な3つの党のうちの一つで、EUから離脱しようというのを目的として掲げられた党、「UKIP: United Kingdom Independence party:UK独立党」があります。でも小さい党なので、第一党になる可能性はとても低く、保守党はこのUK独立党の支持者の票を獲得したかったので、これをマニフェストに追加したそうです。国民は大きな党の方が、これを実行する可能性が高いので、UK独立党ではなく、保守党に投票。これにより、第一党を獲得した保守党のデービットキャメロンさんが2期目も続投して首相になりました。

そして、保守党自体はそれほど、このEU離脱するかしないかの投票がしたかった、というわけではなかったのに、マニュフェストに書いてしまったので、実行せざる負えなくなり、今回の投票話が持ち上がったという流れらしいです。

(全て、イギリスの知り合い談、何も知らないLincoに必死に説明してくれたので本当かと思います。有難うみんな。)



この話題については、BBCも毎日のように議論する番組が放送されています。デービット・キャメロン首相は残留を希望。

現在の事前予想の結果は残留と離脱が半々のようで、とても混戦状態。

投票日は6月23日!投票は、日本と同じで投票場に行くか、ポストでの投票もできるらしいです。接戦が予想されるため、ポスト投票も含めて結果は金曜日になるのが濃厚。


イギリスがヨーロッパに留まった場合


平たく話すと、今と変わらない。ただ以前に比べて、国民の意見が半々に分かれていてちょっとぎすぎす感が生まれたことがあからさまになってしまったくらい。


そして、次の離脱チャンスは今のところありません。EUの一員として、意見を出したり、今まで通りEUのルールには従わなければいけません。

残留希望組の意見としては、

・イギリス人はヨーロッパ人なんだから今まで通り仲良くしようよ!今までヨーロッパ人だった仲間を外国人扱いしたくない。


・ヨーロッパからの移民を広く受け入れてきたのに、ボーダーを作るのか?いろいろなヨーロッパの知識が入らなくなる、広い知識を受け入れるのではなくて、閉めて、イギリスだけの知識に減らしていくことは古い考えじゃない?

・今まで自由に取引できた車、農業、IT関連など、なんでも共通のEUの法律があるからこそ自由に貿易できていたのに、それが出来なくなる。そして、今から法律を別に作ったりするのは、経済を低下させるだけ。また困惑を生む。

・イギリスが離脱したら、イギリスだけでなくて、EU全体の経済が悪くなるんじゃないの?それって、イギリスにも結局影響するでしょ。経済悪化するだけ。

→ 基本的に若い人はREMAIN派が多数。
→ 首相を含め、離脱してしまうと、海外との取引に影響が出る人はREMAIN派が多いようです。

大学生としての影響は?

ヨーロッパの学生は今のところ、イギリス人と同じように、学費が同じで安いし、ビザもいらない、外国人的な手続きが一切いらないのです。


と言っても、イギリス以外のほとんどの国の大学は今でもただの大学が多く、ヨーロッパからの学生はイギリスの学費高いよねー!と不満を漏らしています。ちなみに、ヨーロッパ人以外は外国人扱いで、2.5-3倍の学費を支払っております。日本人のLincoはもちろんたくさん支払っています。。。

現在のところ、ヨーロッパ各国からの留学生は多く、いろいろな文化が入ってきやすい環境です。ヨーロッパからの友達が多いので、休みの日に旅行する先が増える!私のいる学部はアジア人が私だけで、ヨーロッパからのの留学生がほとんどです。


イギリスがヨーロッパから離脱した場合

いろいろなことがガラッと変わる予感。でも誰もどうなるかはわからない。


そもそもイギリスってヨーロッパには加盟しているけど、ヨーロッパ通貨のユーロには加盟していないよね。イギリス通貨はポンドだよね。なにが変わるの?という疑問もあるかと思います。

投票前からすでに、通貨の価値が変動しておりますが、離脱したら、ユーロもポンドも価値が下がるとみられております。

離脱希望組の意見としては

・なんでも法律をEUで決められてしまって、窮屈。なぜ外国で決められた法律になんでも縛られないといけないの。もう戦争もおこらないだろうしヨーロッパは安定している、離脱しようよ!

・野菜の大きさ形まで、EUで規定されていて、規格外は取引できないっておかしくないか?もったいないでしょ。離脱すれば売れるようになる。

・ユーロは価値が下がる一方だし、ヨーロッパ自体の景気は落ち気味じゃないのか?それを保証するのはイギリスになり、イギリス人の税金がヨーロッパの景気が悪い国のために使われるのって不公平じゃないか?離脱すれば、税金を不景気の国のためではなく、国民のために使えるようになる。

・移民を受け入れすぎて、人口が増えすぎるのが怖い。他の国の景気が悪くなれば、移民も増える、イギリスの人口の増加増える一方になり、その人たちは教育を受けていない人が多くなる。それはのちのちイギリスのレベルを下げることになる。移民の基準を厳しくするべきだ。

などの意見のようです。

→ 基本的には、年齢が上の方がLeave派が多数。
→ 日本と同じで、若い人より、年齢が上の人の方が投票に行く人が多いので、こちらの方が優勢という声も。

大学生としての影響は?

すべて未知というのが正直なところ。でも、大学によってはヨーロッパ人に対しても、値上げの可能性があります。(あくまで可能性)

その場合、今の値段でもイギリスの大学は高いと考えているヨーロッパの学生にとっては、2.5-3倍になってしまったら、奨学金なしではいけない大学になってしまうかもしれません。そのため、お金持ちがまだまだいる、中国人をはじめ、アジア人の留学生の割合が増えるかもしれません。

ヨーロッパの既定のおかげで、それほど、ポンドの価値が上がるということはないのですが、離脱によって、£が高くなってしまうかもしれません。

またヨーロッパから入ってきている研究費がなくなって、研究がしにくくなるかもしれません。
一方EUへ支払っていたお金がイギリス国内で使えるようになるので、逆に国内での研究費は増える可能性もあります。

つまり、離脱した場合のお金の扱い方、国の政策によって、教育も大きく変わる可能性を秘めています。

リスの大学院に留学するにあたっての影響は

・教育経費の変更により授業料が変わる(かも)
・研究制度がかわる(かも)
・クラスメートの留学生の顔ぶれが変わる(かも)
・ポンドの価値が下がれば、レート換算で、授業料が安くなる(かも)
・手続きがとまどう(かも)

という可能性の話です。


国民投票のおかげで、Lincoは少しEUについて勉強することができました。なによりも、イギリス人を含めヨーロッパ人の人達はとても熱心に、投票について議論をしているなーと思いました。
日本の友達同士で、こうも毎日、政治関連のニュースや議論番組を見たり、家族で話し合ったりしたことあったかなぁ。
普段TVをそれほど見ないのにもかかわらず、Brexit関連についての特番は見逃さなかったり。日本人ももっとこういうことに関して、もっと自主的に学んでいこうと、そして自分なりの意見を言えるようにならないといけないんだろうなと思いました。私ももっと日本のことについて知らないといけないなと反省。

今回の投票で、もしEU離脱した場合、いろいろ変るかもしれませんが、ゆっくり変わっていくことは間違いありません。

1975年から続いたEC/EUの制度のしばりがなくなれば今まで働いてきた人のほとんどが経験したことない変革を経験せざる負えなくなります。教育にも変化は起きると思います。そして大学運営側もごたごたすると思います。大学院のエージェントもごたごた、Visa関連もごたごたするでしょう。しかし、ヨーロピアンではない日本人にとってはそれほど大きな話にはならないと思いますので焦らないでくださいね。

Worrying about it won't help you!

イギリス大学院を目指している方にとってちょっとした情報になれば幸いです。

投票日の追記です☆

#080 英国国民投票所に行ってみた。EU残留か離脱か


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