#176 イギリス大学院留学後の就職活動

日本の皆様2021年あけましておめでとうございます。イギリスは現在大晦日22時です。ブログ更新が空いてしまい申し訳ありません。

今日はコメントで頂いていた、私の体験談を交えた、イギリスでの就職活動について書いていきたいと思います。


Lincoの場合、普通の就活とは違ってあまり参考にならないかもしれませんが、体験談の一つとして楽しんでいただけたら幸いです。
  1. イギリスでのアルバイト
  2. イギリスでの就職活動
  3. 日本に帰国
  4. 日本での就職活動
  5. 渡英
  6. 再渡英後の就活
  7. 終わりに

1.イギリスでのアルバイト
私が大学院に所属しているときに、アルバイトはビザの許可範囲内の時間でしたら可能でした。でも、院の勉強でいっぱいいっぱいだった私にそんな余裕はなく、アルバイトはしませんでした。
私のコースは社会人経験者が9割で、1割が学生からそのまま上がった人。半分がパートタイム学生(2倍の時間をかけて勉強していく)だったので、半分のイギリス人は仕事をつづけながら大学院生活を行っていました。自分に余裕があれば、アルバイトもできたと思います。
同じコースでLincolnに住んでいたフルタイムの友達は、たまたまだと思いますが、一人もアルバイトはしておりませんでした。実際、私たちのコースはかなり忙しく、半分以上が延長せざる負えないというのも影響していたと思います。

他のコースを取っている、知り合いの留学生は、学部生でも大学院生でもアルバイトをしている人もいました。主に、飲食店、ホテル、スーパーで働いたりしていました。




2.イギリスでの就職活動
私のコースの場合は1つの試験項目だけでも落ちると、再試験になり、再試験の日程は1週間後とかではなく、半年後になり、再試験を待たなければいけませんでした。つまり、半年留年です。
私のコースの修論は、オンラインで済むような内容を選ぶ人は少なく、大学の外部のボランティアの方々に手伝ってもらう試験を修論として取り扱うことが多かったため。試験がすべてパスしていない学生は修論の本試験を行うことが許されておりませんでした。(文献検索、試験計画や自分達のみで行うパイロット試験はできました。)私もコースの大半の友達から漏れることもなく、半年延長になり、私の留学は通常の生徒が10月に終わるところ、再試験を待ってから、修論の試験を始めなければいけなかったので、10月後半からのデータ収集になりました。私のコースは特別に2月までとなりました。本当は4月までかかるところ、先生たちがビザを心配して、早く締め切りを設けてくれました。そのおかげで、バタバタでした。修論提出日は1月3日だったかな?(他のコースの人は9月で終わる人が多かったと思いますが、私のコースは少し長めでした。)




イギリスの留学が長引いたのでTier4ビザも延長する必要性がありました。これもかなりいろいろなビザ制度の変更などと重なり、時間がかかったり、値段が変わったり、書類が変わったり大変だったのですが、せっかくビザ延長のお金を払うのであればと最大限に延長したかったので、結局6月末まで延長することにしました。

つまり、私は2月に最終的に修論を提出し、6月までイギリスにいることが許されたのです。その際にアルバイトでもやって、私の学んだ分野の経験値を高めようとしていたので、どこかに雇ってもらえるといいなと思っておりました。あわよくば就職できた際には、ビザをTier4から就労ビザに切り替えてもらいと考えていたので、CVとStatementを作っていろいろなところに願書を提出しました。

CVは日本の履歴書のようにフォーマットが固定されているものではなく、かなり自由です。いきなり書くのはかなり難しいので、大学で用意しているフォーマット例などを就職課の人に相談してみるといいと思います。
また、英語に自信がない場合、CVは絶対にネーティブチェックをしてもらった方がいいです。企業側は9割方の人たちを書類で落として1割面接するような感じなので、CVもまともにかけていない場合はそれだけで落とされる要因になります。就職課の人は忙しいので内容をチェックしてもらい、仲の良い友達には英語のネーティブチェックをお願いするのがベストだと思います。

CVを書いたことがなかった私は、大学の就職課の方にCVを見てもらいました。私が修論を提出し終えたのが2月という時期であったので、就職課がそれほど混んでおらず、こまめに聞くことも可能でした。学部生の卒業前などと被ると忙しくなかなか予約も取れません。



いろいろなところにアプライはしたのですが、書類が通過し、面接をさせていただいたのは1社のみ。結局雇ってもらうことはできませんでした。落ちた理由を後で確認したところ、「私が可能であれば、ビザを就労ビザに切り替えてほしい」と言ったから、その願いは叶えてあげられないからという理由でした。落ちた理由は大きな企業であれば教えてくれることが多いので今後の参考になるので聞くべきと周りに勧められました。

自分が働きたい理由がお金ではなく(お金だったら帰国すればいいので)、自分の分野での経験値だったので、スーパーなどには応募しませんでした。問題だったのは、私のビザが学生ビザで6月までしか働けない点と車を持っていないことでした。

私がアプライした分野は、日系でもなかったので、ビザを切り替えてくれるようなことは全くなく、そうなると就職後3か月ほどで帰国しなければいけないような条件となってしまうのでした。(研修している間に終わってしまう程度)また、職種的に95%の会社が車必須と書いてあり、マニュアル車の運転も必須でした。車も持っていないですし、オートマしか運転したことがなかった私は選ばれにくい候補者だったことは間違えありません。(必須項目を全部クリアーしていなくても9割以上であれば書類審査通る可能性あります。のでとりあえず送ってあたって砕けろという感じです。)

イギリスは就労許可があるビザがあれば、人種などはあまり気にせず、経験値をすごくかってくれるところです。しかし、私の場合は大学院でその分野を勉強をしたとしても、その分野での経験値が日本でもイギリスでもゼロだったこと。(日本にはその職種がない)それに加え、イギリスでの就職経験がゼロであったこと。募集する分野は基本かなり競争率が高い分野であったことが敗因だったと思われます。

一時期、割と雇ってもらわれやすい、飲食店やスーパーなどで働いて、少しでもイギリスでの就職経験値を付けたほうがいいのかなと悩んだりもしましたが、それなら何のためにイギリスに残っているのかよくわからなくなるので、自分がやりたい分野のみにアプライし続けることにしました。

イギリスで就職してみたい、そして母国で同じ分野の仕事の経験があるという友達は、アルバイト(パートタイム)として入り、そのあと就労ビザに切り替えている人も珍しくはありませんでした。最初はCVを書いたり、Statementsを書いたりするのも慣れないと思うので、チャレンジしてみるだけでも価値はあると思います。




その間、就活以外何もしなかったわけではなく、自分の論文のPublishのために大学にも通い続けていました。自分の実験結果をもっと強固にするために、データを増やし、データのダブルチェックも他の学生に頼んで、再現性、客観性を強固にしていました。担当の先生とも定期的に連絡を取り続けPublishに向けての作業を行っておりました。結局、イギリスでのアルバイト/就職の夢はかなわなかったものの、大学院コース終了後も、イギリスで有意義な時間を過ごすことができたかなと思っております。
結局、延長なしで卒業をした人たちを含めても、修士マスターコースで論文をPublishさせたのは唯一のアジア人である私が1番でした。英語が明らかに一番苦手で苦労していた学生が一番に論文を世に出したので、みんな本当にびっくりしていました。おそらくそれほど周りはPublishに執着していなかったのかもしれません。


3.日本に帰国
元々、イギリスでのアルバイト(=就職)がうまくいけば日本で就職をしなくていいと思っていたので、イギリスから日本への就活をすることはやめていました。
日本に帰った際には、まず、留学の際にお世話になった方々へ、お礼の行脚をしようと思っていたからです。またその分野の人とお話をさせていただき、もう少し分野の知識を深めたりしたいと思っていたからです。

当時、リンカーンで出会った日本人のほとんど全員の留学生友達は、留学後日本に帰って就職することを前提としていたため、イギリスからでも日本の企業への就職活動を開始していました。ネットを使って応募したり、就活フェアなどにも参加し、ロンドンまで足を運んでいる人もいました(今はオンラインが多いかもしれません)。内定をイギリス留学中に取れる人もいれば、ゆっくり焦らず挑んでいる人もいました。

4.日本での就職活動
日本で就職をすると、長いお休み取りにくいということが分かっていたので、まず、なかなか会いに行けない友達のところに行きました。留学中のほぼ2年間一度も日本に帰っていなかったので、先生たちや友達へのお礼行脚もしました。もともと日本で社会人生活をした経験もあったので、あまり日本での就職に対しては急ぎませんでした。また、通信教育なども始め勉強をしながら、帰国を7月にして本格的に就活を開始したのは9月でした。

リクナビNextなどのメジャーな転職サイトも使わせていただきましたが、そういう会社は給与を前よりも上げようという転職活動が多く、元の職種に戻りキャリアアップしたいという方向け。そういう方なら、絶対に留学経験がプラスになり、給与も待遇も上がることが多いのでおすすめです。当時の私はこれは私が留学した理由ではないなと思い、転職活動の極意はいろいろと学ばせていただきましたが、結局、全部お断りさせていただきました。

書類応募を開始した後は1-2か月の間に面接は、かなりさせてもらい、そこから1つ選ばせていただき、フルタイムで就職することになりました。働き始めたのは11月でした。
その会社を選んだ基準は自分の知識を身につけることだったので、留学前の会社よりも給料も待遇も下がるような会社ではありました。それでも、未経験者なのに前の経験や留学をかってもらい中途採用として扱っていただき、その会社内ではかなりいい給与待遇をしていただけました。プラス新たなことを勉強させていただく機会に恵まれたので後悔はありませんでした。

私のような優柔不断な者でなければ、正直多くの方が留学経験を活かしキャリアアップをしようとしていると思います。そんな方は、転職サイトなどを使うとエージェントの人がかなりコーディネートしてくれるのでうまくいく確率が上がりお勧めです。




5.渡英
約1年間就職をした会社を辞めて、また渡英することになりました。その理由は結婚です。日本で生活するか、イギリスで生活するかを考えた時にお互いにとって良いのはどちらかを考えた際に、私は就職歴があるが、相手はイギリス人でほぼほぼ新卒であった点。日本語も日常会話はできるものの読み書きはできないので、本人のやりたい分野での日本での就職は厳しいと判断し、私がイギリスに行くことにしました。最初はフィアンセビザで渡英し、結婚し、ファミリービザに切り替えをしました。(11月に渡英し、ファミリービザが取れたのがギリギリの4月でした。)

6.再渡英後の就活
ファミリービザがあれば就労許可が下りているので、たいていの企業は応募できました。

使ったサイトは
‐ indeed
‐ reed
‐ Monster
‐ LinkedIn
‐ GOV.UK
‐ FindAphD
‐ People-first (日本人という利点を生かす)

など
それに加えて、私が応募したい会社や団体のホームページからアプライしました。

IndeedやReed, LinkedInにCVを上げておくと、いろいろなエージェント会社からも毎日のように、電話がかかってきます。その会社を通じて応募することもできますが、その際には合格率も上がりますが、若干断りにくくなります。

私の場合また自分がやってみたい分野にこだわって最初はアプライをしました。前回と同じく、私がイギリスでの就職経験がない点、車がない点、その分野での就職経験がない点で希望した職には書類すら通らず、かなり厳しかったです。今回は結婚をしたということもあり、引っ越しもできないので、通勤圏しかApplyできませんでした。(日本人を欲しいとする企業はほぼ9割方ロンドンなどの大都市ですので、ほかの地域に住む方は日本人とは関係ない職種につくことが多いと思います。)
引っ越した11月からアプライはしましたが、ビザがまだないなら面接は厳しいという話も多かったので、結局ビザがもらえた4月から本格的な就活開始。2か月ほど就活を続け、若干就活にも飽きてしまい
やはり就職歴でも作った方がいいかなと思い始め(お金も底をついてきたので)、以前働いていた仕事と同じような職種である研究分野に応募したところやはり、経験値が認められ、書類が通過し、面接にこぎつけました。

かなり、ニッチな分野であったというのもあり、専門分野での雑談ができたりしたので、英語が苦手な私でも、面接までこぎつければ合格をいただくことができました。日本でもイギリスでも、常に笑顔を心がけることが良かったのかなと思っています。あとただ単にタイミングとして真夏のサマーホリデーシーズンであまり、就活している人が少ない時期だったのか、ラッキーだったのかもしれません。

イギリスに新卒扱いはあまりないと考えたほうがよく、職歴があるとやはり、雇ってもらうことができる印象です。本当にイギリスでは経験値が物をいいます。「新卒10年目の○○です。」と言わないと雇ってもらえないとジョークを言うことがあるくらいです。



就職先は大学院で勉強した分野とは、少しベクトルが変わってしまっているので、その分野に戻りたい気もしますが、また給与も待遇も下がり続けることになってしまいます。その辺を今後のライフワークバランスとして考えるとなかなか難しいので、今後も今の研究技術として働いていくのがとりあえずはいいのかなと思っております。(ただし大学研究職にありがちな、フルタイムですが任期付き契約社員です。一般企業であれば終身雇用が多いかと思います。)

いつか、やりたいことと待遇などが合致するときが来るかもしれないですし、また私のやりたいことが180度変わるかもしれないと思っております。

現在は、幸いなことに、メンバーもボスもいい人たちで、職場は大学なので福利厚生もよいので、こんなコロナの中でも、雇用期間までは解雇されることもなく、ありがたい環境で働かせていただいていると思っています。




7.おわりに
これが私Lincoの就職活動でした。皆さんも留学後、日本でも海外でもどちらでもいいので、就職活動、頑張って下さい。皆さんの未来が明るくなりますように!

今日からイングランドはほぼTier4(StayAtHome)そしてBrexit完了のイギリスからのブログでした。

今回もブログを見て下さってありがとうございます。 今回も読んで頂きありがとうございます。 よんだよーの代わりに、下のボタンをぽちっとしてくださるかツイートやシェアしてくださると励みになります! 

何か質問があれば、コメントでお願いします。

過去ブログもよかったらどうぞ!本年もよろしくお願いいたします。

コメントを投稿

1 コメント

wiwiwoo13 さんの投稿…
突然のコメント失礼いたします。
2022年秋入学の大学院コースでUniversity of Lincolnよりオファーを受領した者です。

社会人での大学院進学を検討していた際に、LincoさんのブログやTwitterに出会いました。

専攻はHospitality Management(ビジネススクール内のコースです)なのですが、大学側の就職支援サポート具合や、
大学院修了後にイギリス国内でのキャリアに結び付けやすいのか等をLincoさんの視点で伺いたくご連絡しました。

Lincoさんとは専門が異なるかと思いますが、もしよろしければアドバイス頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。