選挙はイギリスの大学生の間でも結構関心が高い話題の一つです。
選挙が決まった時から、いろいろと、この党の政策は賛成だとか反対だととか、ランチの時間にも話し合っていたりします。たまに会う家族ともイギリス人は政治の話をします。
Lincoのイメージや周りの人の雰囲気かもしれませんが日本ではあんまり友達や家族で話さないですよね。政治の話。
今回は日本との違いなどを織り交ぜながら、Lincoが知っているイギリスの総選挙や政治について書いていきたいと思います。(自分なりの覚書)
1.なぜ今2019年総選挙が起きたのか?
今回の選挙は現在の首相であるボリス ジョンソン首相が所属する保守党が議席を半数以下しか持っていないため、いろいろな物事を決めるとき、反対されて何も決まらず終わることが多く、これではらちが明かないということで、国民の意思を問う総選挙が行われる運びとなりました。日本でも国民の意思を問うとかなんか聞いたことがあるフレーズ。。。
特に、今回の選挙での焦点は、世の中を騒がせて早くも3年半となるEU離脱問題。(あれ、2年で離脱するんじゃなかったっけ?と思われると思いますが、もめにもめ続けております。)イギリスとEU間だけではなく、イギリス内でもめていて、EU側にイギリスは結局何がしたいんだ?国内でちゃんと決めてから、EUの会議にもってこい!と怒られたことも要因になっていると思われます。なので今回の選挙は、総選挙であり、EU離脱総選挙ではないものの、今後本当に離脱したいのかどうなのかを問う選挙になったと思います。
過去ブログ
EU離脱(Brexit)について
https://studyabroadlincoln.blogspot.com/2016/06/076-eubrexit.html
EU離脱総選挙 決定後のイギリスについて
https://studyabroadlincoln.blogspot.com/2016/06/083-eu.html
2.保守党(Conservative)と労働党(Labor)
この2党がイギリスの2大政党です。(自民党と立憲民主党のような感じ)
すごく大まかにいうと、保守党は全体的にEU離脱賛成派で、お金持ちに有利となる政策が多め。労働党はEU離脱反対で、貧困層にも優しく、移民も含めて国民をみんな平等に!という政策を掲げているという感じです。(すごく大まかに言っているので、語弊覚悟です。)あとは自由民主党(Liberal Democrats)やスコットランド国民党などがあります。
3.日本とイギリスの議会(Parliament)の違いは?
イギリスも日本も”議院内閣制”(parliamentary cabinet system)なので、構造はほぼ同じです。(日本の政治がイギリスの政治をまねしたからと、中学校か高校の社会で習ったきがする。)イギリスは、アメリカのような大統領ではなく、日本と同じく首相(Prime minister)がいる。第一党の党首が首相になり、その首相が内閣(Cabinet)をつくる。名前は少し違うのですがもともと言語が違うので、おおまかない体制は同じと思えばいいと思います。
何が違うかというと、衆議院と参議院が違います。イギリスも2院制ですが、呼び名がまず違う、現在は下院と上院と訳されておりますが、英語ではHouse of CommonsとHouse of lordsといいます。つまり一般院と貴族院。庶民と貴族!!なんてイギリスらしいんだ。と聞いた時思いました。
下院(庶民院)は日本と同じで総選挙で選ばれます。これが今回の選挙!
上院(貴族院)はというと昔は確かに貴族がメンバーとして活躍していたのだと思いますが、それも少なくはなってきているようです。上院のメンバーは非公選で、貴族や各分野の有識者、政治家、聖職者がメンバーとして首相が助言をし、女王が勅許状を下し、終身任期のようです。上院は公選でないので、下院の暴走を止めたり、国民の顔色をうかがわずに、正しい判断ができるという。利点があるようです。また無報酬のため、やはりそれなりにお金を稼いでないと、無報酬で仕事をするのはなかなか大変なことなのだと思います。今は定数がないため変動しますが、現在は795人もいるようです。
日本もこの貴族院があったらしい、日本国憲法が制定されるまえの大日本国憲法の時代までは、皇族、華族や有識者などがメンバーとなっていたようです。
でもやはり、Lincoは民主的な日本の参議院制度のほうがいい気はします。
4.今回の結果
結果から申し上げますとボリスジョンソン首相が率いる保守党が、単独で過半数の議席を勝ち取るという大勝利をしました。つまり今後の議論で保守党は簡単に決定することができるということ。Brexit(EU離脱)問題が今回の大きな焦点となりました。EU離脱するかどうかについての選挙は冒頭にも書いた通り、3年半前。そこで、決まったものに対して、どのように離脱するのかという話し合いで、長く時間がたってしまいました。その苛立ちが今回の結果につながったようです。EU離脱決定後の1-2年は、離脱するといっても簡単に離脱できるわけではなく、離脱する際にそれなりにEUにお金を払わなければいけなかったり、EUから離脱すると自由貿易ができたEU各国間と関税が発生するため、モノが高くなってしまうこと、パスポートがいるようになるかもしれない、いままで働けていた国で働けなくなるかもしれないと、国民はいろいろ予想していなかった問題が浮き彫りとなり、EU離脱しないほうがいいのではないかという空気になっていました。Brexit選挙の際には、いい点ばかり述べていて、欠点について述べていなかったので、国民は混乱していました。それでもみんなで決めたのだから離脱したほうがいいという意見と、こんなことなら、離脱はやめよう!という。今のままでいいじゃないか!離脱したらいろいろ悪くなりそうだ。という国民の二分裂がおきました。それで3年半。
今回の選挙ではこのまま国民を2つに分けてていいのか、これを終わらしてしまいましょう!そしてEUの話ではなく、イギリスの政治をちゃんと動かそう。と言っていた、保守党と。EU離脱したら、一般人の負担が大きくなってしまう!ちゃんともう一回国民のBrexitに対する意見を聞きませんか?としていた労働党の戦いでした。
私は日本人であり、周りの知り合いはヨーロッパ人も多いので、このままだとEU離脱ないんじゃないか?みんな離脱反対だよね。という雰囲気が結構ありました。
でも蓋を開けた結果、保守党の圧勝。イギリス国民としては、EU離脱したいという意見がやはり強かったのかもしれません。いままで、労働党が勝利を常に収めていた地域でも、保守党が議席をかちとったりしたようです。
とてもいいまとめの動画があったので貼っておきます。
BBC News Japan【英総選挙2019】 有権者はどのように投票したのか、その理由はhttps://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-508050435.EU離脱
2020年1月末が今の期限となっております。そして、ボリスジョンソン首相は、その日に離脱すると掲げております。でも1つ1つのEUとの問題はどうなるのか決まっていません。でも、今回の選挙で、保守党が過半数を確保したので、これはほぼ確実に離脱することが決まったと考えていいと思います。
6.北アイルランド
Brexitによって、関税や労働者の問題を考えるとアイルランドとイギリスの一部である北アイルランドにラインができることになります。今後の交渉次第で、そのボーダーがどうなるかで、北アイルランドの人たちはとても心配しているようです。
7.スコットランド
スコットランド党(SNP)もほぼ全域のスコットランドでも票を獲得し、議席を大きく伸ばしました。スコットランド党は独立したい!という声が高まっています。理由は、EU離脱するのであれば、イギリスから離脱してEUに残りたいという理由。そして、スコットランド国民の声を聴きたい(国民投票をしたい)と示しております。でも、その投票をさせてもらえるかは保守党次第でわかりません。
まとめ
今回は、イギリスの総選挙について書いてみました。わかりにくい他国の政治が少しでもわかりやすくなったり、興味がもってもらえたらいいなーとおもっております。留学に関していうと、日本人の人の待遇はあまり変わらないといえます。でもヨーロッパ人の同級生が減るかもしれません。EUの人はいままでイギリス人と同じ学費でよかったのが、日本人とおなじく、2-3倍支払わないといけなくなるからです。またEUの人に対する奨学金もなくなるので、ヨーロッパ人が減るかもしれません。
日本人にとって何より驚くのが、政治のことを知らないと、留学でも結構みんながなにを話しているのかついていけないということが多々あります。政治学を学びに来るわけでなくても、ぜひイギリスの政治の基礎知識は覚えてきてください。そうすると、知らない土地にきても、輪に入りやすくなると思います。Lincoは全然政治に興味がなかったので、全く話についていけなかったので1つ1つ覚えてきましたが、最初から少しくらい知っていたらよかったなーと思っておりました。
今回も読んでくださりありがとうございます。
では、今年もよいお年をお迎えください。Merry Christmas and Happy new year!
すごく前の過去ブログ
EU離脱総選挙 決定後のイギリスについて
Linco
0 コメント